APIの可観測性(Observability)とは?要素・設計の考え方を解説
マイクロサービス化やクラウドネイティブ化が進む現代のシステムにおいて、APIはサービス同士をつなぐ中核的な存在となっています。一方で、APIの数や依存関係が増えるにつれ、障害発生時の原因特定やパフォーマンス低下の把握はますます困難になっています。従来の単純な稼働監視だけでは、複雑化したAPIの挙動を十分に理解することが難しくなっているのが実情です。
こうした背景の中で注目されている概念が「API可観測性(Observability)」です。可観測性は、単に異常を検知するための仕組みではなく、システム内部の状態を外部から理解し、未知の問題に対しても原因を特定できる能力を指します。ログ、メトリクス、トレース、イベントといった複数のデータを組み合わせることで、APIの挙動を立体的に把握できる点が特徴です。
本記事では、API可観測性の基本的な考え方から、監視との違い、構成要素、設計時のポイント、そして実運用における具体的な活用例までを体系的に解説します。API運用の関係者が、障害対応や性能改善を属人的な対応に頼らず、データに基づいて行えるようになるための理解を目的としています。
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