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ノーコード開発ツール「Bubble」と「Glide」を徹底比較|機能・料金・使いやすさの違い

ノーコード開発ツール「Bubble」と「Glide」を徹底比較|機能・料金・使いやすさの違い

ノーコード開発は、従来のプログラミングスキルなしにアプリケーションを構築できる手法として注目されています。中でも人気の高いのが「Bubble」「Glide」。いずれもコード不要で高速にプロダクトを形にできますが、得意分野や設計思想は大きく異なります 

Bubbleは主にWebアプリ/SaaSを得意とし、データベースやワークフローの柔軟性・拡張性が高い一方、Glideは業務の内製化(内部ツール)に強く、スプレッドシート/外部データを起点にモバイル/ウェブ双方へ素早く展開できるのが特徴です。 

本記事では両者を用途・拡張性・学習曲線・デザイン/レスポンシブ・チーム運用・料金の観点で比較し、ビジネスでどう使い分けるべきかを解説します。 

 

1. Bubbleとは? 

Bubbleは、Webアプリやマーケットプレイス、SaaS構築に強いノーコードプラットフォーム。ビジュアルエディタでデータベース/ロジック/ワークフローを詳細に定義でき、外部API連携やプラグインで拡張可能。レスポンシブ設計も細かく調整でき、MVPから本格SaaSまでスケールを見据えた開発に向きます。 

項目 

内容 

開発対象 Webアプリ、SaaS、業務システム、マーケットプレイス 
主な機能 ビジュアルエディタ、ワークフロー、DB管理、API連携、プラグイン 
強み 高度なカスタマイズ性/拡張性、複雑ロジックに強い 
想定ユーザー スタートアップ、SMB~SaaSチーム 
弱み 学習コストがやや高い/モバイルネイティブは別途工夫が必要 

 

2. Glideとは? 

Glideは、スプレッドシートや外部データを基盤に内部ツール/業務アプリを素早く構築できるプラットフォーム。モバイル/ウェブ双方に最適化されたUIをドラッグ&ドロップで組み上げ、権限管理やデータソース統合、公開までを一気通貫で行えます。学習コストが低く、短期間での現場定着に強いのが特徴です。 

項目 

内容 

開発対象 内部ツール、CRM/在庫/現場アプリ、ダッシュボード等(Web/モバイル) 
主な機能 ドラッグ&ドロップUI、データ接続(Sheets/Airtable等)、権限/ロール、公開 
強み 素早い導入/運用、モバイル/ウェブ両対応の適応デザイン 
想定ユーザー 非エンジニア、業務部門、ノーコード内製チーム 
弱み 超高度なカスタマイズ/特殊要件は制約あり 

 

3. BubbleとGlideの主要な違い 

BubbleとGlideは同じ「ノーコード開発ツール」ですが、設計思想・利用対象・拡張性など多方面で性格が異なります。 

ここでは7つの観点から両者を比較し、それぞれがどんな場面に適しているかを整理します。 

 

3.1 開発対象と用途の違い 

両者の設計思想は「どんなアプリを作るのか」で明確に分かれます 

観点 

Bubble 

Glide 

主な対象 Webアプリ、SaaS、業務システム、マーケットプレイス 内部ツール、業務アプリ、現場モバイル、ダッシュボード 
得意分野 データベース駆動型アプリ、複雑なワークフロー設計 現場業務の内製化、顧客/社員向け簡易アプリ 
ユースケース SaaS構築、予約/決済システム、複雑な権限管理 CRM、在庫管理、イベント用アプリ、現場報告 

外部顧客向けの大規模サービスはBubble、業務現場の即戦力アプリはGlideが適しています。 

 

3.2 パフォーマンスとスケーラビリティ 

利用規模に応じて両者の強みが大きく異なります 

項目 

Bubble 

Glide 

スケーラビリティ ワークロード(WU)調整で大規模対応可能 ユーザー/更新数制限あり 
処理能力 複雑ロジックや高トラフィックにも耐えられる 数十~数百ユーザー規模が現実的 
適応範囲 SaaS・大規模B2Bに向く 中小規模の業務チームに最適 

本格的にスケールさせたいならBubble、軽量・迅速展開ならGlideが最適です。 

 

3.3 セキュリティとガバナンス 

権限やデータ管理の深さに差が見られます 

項目 

Bubble 

Glide 

権限管理 詳細なプライバシールール設定可能 シンプルなロールベース 
利用シーン 外部顧客向けのセキュアなSaaS 社内・部門利用に十分 
コンプライアンス エンタープライズ要件に対応 複雑な規制対応は制限あり 

セキュリティ要件が厳しい場合はBubble、簡便に回すならGlideが便利です。 

 

3.4 エコシステムとコミュニティ 

利用可能な拡張機能や情報リソースにも違いがあります 

項目 

Bubble 

Glide 

プラグイン 公式/サード製多数 標準機能中心 
コミュニティ 世界的に大規模・活発 実務ノウハウ共有が盛ん 
学習リソース 多様で深掘り可能 シンプルで導入が容易 

カスタマイズと拡張性はBubble、手軽なコミュニティ知見活用はGlideに軍配です。 

 

3.5 データソースと統合性 

データの扱い方が両者の大きな差別化要素です 

項目 

Bubble 

Glide 

データベース 複雑スキーマ設計が可能 Google Sheets等をそのまま利用 
API連携 自由度高く外部統合しやすい 主要データソースと簡単連携 
強み 柔軟なモデル設計 既存データの即時活用 

自前DBを構築したいならBubble、既存シートを活かすならGlideが強みです。 

 

3.6 配布・公開体験 

完成したアプリを届ける方法も異なります 

項目 

Bubble 

Glide 

公開形式 Webアプリ即公開、PWA対応可 URL共有、Web/モバイル両対応 
ネイティブ対応 外部サービスを利用 ストア不要で内部利用に最適 
導入スピード 公開準備に工夫が必要 瞬時に展開可能 

外部顧客への本格配布はBubble、内部展開のスピードはGlideに優れます。 

 

3.7 サポートと学習リソース 

習得コストやサポート体制にも違いがあります 

項目 

Bubble 

Glide 

学習コスト 中~高、習熟後は自由度大 低~中、初心者でも成果を出せる 
ドキュメント 豊富・詳細 シンプル・直感的 
サポート Bootcampや公式コースあり Forumやテンプレートで支援 

学習投資して拡張性を得たいならBubble、短時間で成果を求めるならGlideが適しています。 

ここまで7つの観点から比較しました。Bubbleは「柔軟性と拡張性」、Glideは「スピードと簡便さ」が際立っています。選定のカギは「どこまでスケールを見据えるか」「誰が運用するか」です。 

 

4. 料金プラン 

ノーコードツールを選ぶ際には、機能だけでなく料金体系も重要な比較ポイントです。ここではBubble と Glide の料金プランを整理し、それぞれの用途や規模に応じた特徴を見ていきます。 

 

4.1 Bubble 

Bubbleは学習から大規模ビジネスまで対応する柔軟な料金プランを用意しています。以下に主なプラン概要を示します。 

プラン 

月額料金 

主な用途・規模 

主な特徴 

Free 

無料 

テスト・学習用 

基本機能のみ、バナー削除不可、0.5GBストレージ 

Starter 

$29(年) / $32(月) 

個人・小規模アプリ公開 

独自ドメイン、バナーなし、ワークロード175K、50GB 

Growth 

$119(年) / $134(月) 

中規模開発・小チーム 

2名開発、プレミアム管理、ワークロード250K、100GB 

Team 

$349(年) / $399(月) 

大規模・チーム開発 

5名開発、20日バックアップ、ワークロード500K、1TB 

 

4.2 Glide 

Glideは、個人利用から企業導入まで対応できる料金体系を用意しています。以下でIndividualとBusinessのプランを比較します。 

4.2.1 Individual向け 

個人開発者や小規模利用者向け。無料から始めて、必要に応じて機能を拡張できます。 

項目 

Free 

Explorer 

Maker 

月額料金 

無料 

$19/月~ 

$49/月~ 

アプリ数 

1 

1 

3 

ユーザー数 

10人 

100人 

無制限 

更新回数 

不要 

250回(+2¢/回) 

500回(+2¢/回) 

行数上限 

25,000 

25,000 

50,000 

データ 

・Glide Tables 

・Glide Tables 

・Glide Tables 
・Google Sheets 

主な機能 

・40+コンポーネント 
・コミュニティ 

・ワークフロー 
・インテグレーション 
・AIサポート 

・カスタムブランド 
・ドメイン設定 
・Glideサポート 

学習ならFree、機能追加はExplorer、公開やブランド強化はMaker。 

 

4.2.2 Business向け 

チームや企業利用向け。ユーザー数やデータ容量が拡大し、サポートも充実。 

項目 

Free 

Business 

Enterprise 

月額料金 

無料 

$199/月~ 

要問い合わせ 

アプリ数 

1 

無制限 

無制限 

ユーザー数 

10人 

30人+追加$5/人 

カスタム 

更新回数 

不要 

5,000回(+2¢/回) 

カスタム 

行数上限 

25,000 

100,000 

1,000万 

データ 

・Glide Tables 

・Sheets 
・Airtable 
・Excel 

・HubSpot 
・Stripe 
・PostgreSQLなど 

主な機能 

・40+コンポーネント 
・コミュニティ 

・API連携 
・Glide API 
・Expressサポート 

・SSO 
・専任担当 
・優先サポート 

Glideは、個人・チーム・企業規模に合わせて柔軟に選べる料金体系を提供。目的に合ったプランを選べば、コストを抑えつつ効率的にアプリを開発できます。 

BubbleとGlideはいずれも無料から始められ、成長に応じて上位プランへ移行できる柔軟性を備えています。目的(学習・試作、業務利用、スケール拡大)やチーム規模に合わせて、最適なサービスとプランを選ぶことが成功の鍵となります。 

 

おわりに 

ノーコード開発はもはや「簡単な試作ツール」にとどまらず、ビジネスの実務に深く入り込む段階に進んでいます。その中で、BubbleとGlideは似ているようで根本的に異なる方向性を持っています。Bubbleは柔軟性と拡張性を武器に、WebアプリやSaaSといった大規模かつ外部公開を前提とするサービスに強く、Glideはスピードと直感性を活かして、社内業務やモバイル現場にすぐ浸透するアプリ構築に強みを発揮します。 

重要なのは「どちらが優れているか」ではなく「どんな目的のために使うのか」です。長期的にスケールする外部向けサービスを志向するならBubbleを、現場課題を素早く解決して業務改善を推進するならGlideを選ぶのが賢明です。自社やプロジェクトの状況を見極め、ツールの特性を最大限活かすことが、ノーコード開発を成功に導く鍵となるでしょう。