知っておくべきAI用語80選
近年、AI(人工知能)の進化は目覚ましく、ビジネスや日常生活において不可欠な存在となっています。しかし、AIに関連する専門用語は多岐にわたり、理解するのが難しいと感じる方も多いのではないでしょうか?
本記事では、知っておくべきAI用語80選をわかりやすく解説し、最新技術の基礎をしっかり押さえられるようにしました。AI初心者から業界関係者まで、ぜひご活用ください。
[ア行]
日本語 | 英語 | 定義 |
AI(人工知能) | Artificial Intelligence | 人工知能(AI)とは、人間にしかできなかったような高度に知的な作業や判断をコンピュータを中心とする人工的なシステムにより行えるようにしたもの。
AI(人工知能)についてはこちらもご覧ください。 |
アプリケーションプログラミングインターフェース (API) | Application Programming Interface | API(Application Programming Interface)とは、あるコンピュータプログラム(ソフトウェア)の機能や管理するデータなどを、外部の他のプログラムから呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めた規約のこと。 |
AI-OCR | Artificial Intelligence Optical Character Reader | AI(人工知能) を活用したOCR( Optical Character Recognition/光学的文字認識)のことを指す。 |
アノテーション | Annotation | アノテーションとは、「注釈」という意味の英単語で、ITの分野ではデータやプログラムの中に特殊な記法を用いて埋め込まれた付加情報のことをこのように呼ぶことが多い。 |
アルゴリズム | Algorithm | アルゴリズムとは、ある特定の問題を解く手順を、単純な計算や操作の組み合わせとして明確に定義したもの。数学の解法や計算手順なども含まれるが、ITの分野ではコンピュータにプログラムの形で与えて実行させることができるよう定式化された、処理手順の集合のことを指すことが多い。 |
アプリケーション | Application | コンピュータにインストールされている利用者(ユーザ)の業務や目的に応じて作成されたプログラム。 |
インダストリー 4.0 | Industry 4.0 | インダストリー4.0とは、製造業における生産や流通のデジタル化、自動化が大きく進むことで産業にもたらされる、人類史的な巨大な変革。ドイツ政府の産業振興政策の名称が一般に広まったもの。 |
IoT(モノのインターネット) | Internet of Things | IoTとは、コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うこと。 |
インフラ
| Infrastructure | インフラとは、社会や経済、あるいは国民生活が拠って立つ基盤となる、必要不可欠な施設やサービス、機関、制度、仕組みなどのこと。“infrastructure” は「基盤」「下部構造」などの意味を持つ英単語で、外来語としては「インフラ」という略語が定着している。 |
インテグレーション | Integration | IT分野では、コンピュータやソフトウェア、ネットワークなどを組み合わせて一体化し、目的を達成するための情報システムを構築することを「システムインテグレーション」(SI)と言い、これを略してインテグレーションと呼ぶことが多い。 |
エッジAI | Edge AI | エッジAI(edge AI)とは、利用者の端末などネットワークの末端(エッジ)側に実装されたAIシステムのこと。クラウドサービス上に存在するクラウドAIと対比される。 |
エッジコンピューティング | Edge Computing | エッジコンピューティング(edge computing)とは、ネットワークに多数の端末が接続されたシステムにおける処理形態の分類の一つで、端末自身あるいは端末に近い場所にあるサーバが情報の集約や処理などを行う方式。
遠隔地のサーバで集中的に処理を行うクラウドコンピューティングと対比される。 |
オープンイノベーション | Open Innovation | オープンイノベーション(open innovation)とは、企業などにおける研究開発や新事業創出の方法論の一つで、組織内で秘密裏に進めるのではなく、外部の企業や研究機関、公的機関、消費者などを巻き込んで、協力・連携して取り組むこと。 |
オンプレミス | On-premises | オンプレミス(on-premises)とは、企業などの組織における情報システムの設置形態の分類で、自社施設の構内に機器を設置してシステムを導入・運用すること。
外部の事業者が用意した機材やソフトウェアを通信回線を経由して利用する「クラウド」型(システム/サービス)の対義語。 |
音声認識 | Speech Recognition | 音声認識(speech recognition)とは、人の話し声を含むデジタル化された音声データを解析し、話している内容を文字データとして抽出する技術や処理のこと。コンピュータへの文字入力の方式の一種。 |
音声認証 | Voice Authentication | 音声認証(voice authentication)とは、人体の固有の特徴を利用して本人確認を行う生体認証(バイオメトリクス認証)の一種で、声の特徴を利用する方式。 |
オフショア開発 | Offshore Development | オフショア開発(offshore development)とは、情報システムやソフトウェアの開発業務を海外の事業者や海外子会社に委託・発注すること。
営業や企画、設計、納品、サポートなど顧客に近い業務は本国で、実装やテストなどを海外で行なうといった形で分業することが多い。
ITアウトソーシング市場についてはこちらもご覧ください。 |
[カ行]
日本語 | 英語 | 定義 |
顔認識 | Face Authentication | 顔認証(face authentication)とは、人体の固有の特徴を利用して本人確認を行う生体認証(バイオメトリクス認証)の一種で、顔の特徴を利用する方式。カメラで撮影した顔の画像から一定の計算により特徴量のセットを抽出し、あらかじめ登録された本人のものと照合する。 |
仮想通貨 | Virtual Currency | 仮想通貨(virtual currency)とは、コンピュータ上で価値を表す値を記録、移動する仕組みのうち、通貨のように財やサービスを受け取る対価として支払いに用いたり、富の蓄積や移動の手段として用いられるもの。広義にはゲーム内通貨などを含むが、一般的にはビットコインのような暗号通貨を指す。 |
過学習 過剰適合 (オーバーフィッティング / オーバーフィット) | Overtraining / Overfitting | 過学習(overtraining)とは、回帰分析や機械学習で、学習データに対してあまりに忠実に適合しすぎて本来データが示唆する傾向から大きく外れてしまう現象。 |
感情認識 | Emotion Recognition | 感情認識とは、その字の通り、人間の表情の動き、声質や文章などから感情を読み取り、認識することを指す。 |
機械学習 | Machine Learning | 機械学習(machine learning)とは、コンピュータプログラムにある分野のデータを繰り返し与えることで内在する規則性などを学習させ、未知のデータが与えられた際に学習結果に当てはめて予測や判断、分類などを行えるようにする仕組み。現代の人工知能(AI)研究における最も有力な手法の一つ。
AI、機械学習、ディープラーニングの違いについてはこちらもご覧ください。 |
強化学習 | Reinforcement Learning | 強化学習(reinforcement learning)とは、機械学習の手法の一つで、システムの行動に対して評価(報酬)が与えられ、行動の試行錯誤を繰り返して評価を最大化するような行動パターンを学習させるもの。機械の制御や競技、ゲームなどを行うAIの訓練に適している。 |
教師データ | Training Data | 教師データ(training data)とは、機械学習で学習に用いるデータセットのうち、「例題」と「正解」を対応付けた形式に整理されたデータ。このようなデータを用いる学習方式を「教師あり学習」という。 |
教師あり学習 | Supervised Learning | 教師あり学習(supervised learning)とは、機械学習の手法の一つで、あらかじめ「正解」が明示されている学習データに適合するようにモデルを構築していく方式。学習のためには問題と正解の形に整理された大量のデータが必要となる。 |
教師なし学習 | Unsupervised Learning | 教師なし学習(unsupervised learning)とは、機械学習の手法の一つで、人間が基準や正解を与えずに学習データを分析させ、システムが自律的に何らかの規則性や傾向を見出す手法。 |
クラウドコンピューティング | Cloud Computing | クラウドコンピューティング(cloud computing)とは、コンピュータの機能や処理能力、ソフトウェア、データなどをインターネットなどの通信ネットワークを通じてサービスとして呼び出して遠隔から利用すること。 |
[サ行]
日本語 | 英語 | 定義 |
自然言語処理(NLP) | Natural Language Processing | 自然言語処理(NLP)とは、人間が普段使っている日本語や英語といった自然言語を対象として、コンピュータによる自動処理により解析や生成、変換などを行う技術の総称。自然文検索、自動要約、自動翻訳などに応用されている。 |
深層学習(ディープラーニング) | Deep Learning | ディープラーニング(deep learning)とは、ニューラルネットワーク(NN:Neural Network)を用いた機械学習システムのうち、中間層(隠れ層)が複数のシステムを利用するもの。広義にはこれをNN以外の手法に応用したもの(深層強化学習など)を含む。画像処理に強く精度が高いため近年急激に注目が高まっている。
ディープラーニングについてはこちらもご覧ください。 |
シンギュラリティ(技術的特異点) | Technological Singularity | シンギュラリティ(technological singularity)とは、人工知能(AI)の能力が人間の知性を超える歴史的転換点。コンピュータや人工知能の改良が現在のペースで続いていくと、数十年以内という近い将来に起きると予想する論者がいる。 |
生成AI | Generative Artificial Intelligence | 生成AI(Generative Artificial Intelligence)とは、機械学習技術を応用したAIシステムの一種で、文章や画像、音声、動画、プログラムコードなど、まとまった量の新しい情報を生み出すことができるもの。
生成AIについてはこちらもご覧ください。 |
ソフトウェア | Software | ソフトウェア(software)とは、コンピュータを動作させる命令の集まりであるコンピュータプログラムを組み合わせ、何らかの機能や目的を果たすようまとめたもの。プログラムが動作するのに必要なデータも含まれる。 |
[タ行]
日本語 | 英語 | 定義 |
ChatGPT | ChatGPT(チャットGPT)とは、米オープンAI(OpenAI)社が運営するAIチャットボット。同社のGPT(Generative Pre-trained Transformer)言語モデルを用いて、人間と対話的にテキスト(文字情報)のやり取りをできるようにしたサービスである。基本的な機能は無料で、高度な機能は有料で提供されている。
GPT-4とGPT-3.5の比較についてはこちらもご覧ください。 | |
強いAI(汎用AI) | Strong AI | 強いAIは「汎用AI」とも呼ばれ、人間と同様に幅広いタスクを理解、学習、実行できるAIのことを指す。 |
大規模言語モデル(LLM) | Large Language Model | LLM(Large Language Model)とは、機械学習システムで大量の学習データを処理して構築した、自然言語を扱うことができるモデル。特定のタスクに特化したモデルではなく、様々な用途に汎用的に用いることができる。 |
データ | Data | ITの分野でデータといった場合には、コンピュータで保存や加工、伝送などが可能なデジタルデータ(digital data)を指す。
これは信号や情報をすべて「0」あるいは「1」のいずれかを取る「ビット」(bit)と呼ばれる情報の最小単位を並べて表現したもので、情報の種類や形式によらず同じ装置や処理によって扱うことが可能となる。 |
デジタル | Digital | デジタルとは、機械で情報を扱う際の表現方法の一つで、情報をすべて整数のような離散的な値の集合として表現し、段階的な物理量に対応付けて記憶・伝送する方式のこと。対義語は「アナログ」(analog)で、情報を連続した物理量で表現する方式を意味する。 |
デジタルトランスフォーメーション | Digital Transformation | デジタルトランスフォーメーションとは、企業や行政などの組織や活動、あるいは社会の仕組みや在り方、人々の暮らしなどがデジタル技術の導入と浸透により根本的に変革すること。従来型の「デジタル化」と違い、デジタルを前提として既存の仕組みを根本的に作り変えることを指す。
2025年のDX動向についてはこちらもご覧ください。 |
[ナ行]
日本語 | 英語 | 定義 |
ニューラルネットワーク(NN) | Neural Network | ニューラルネットワーク(neural network)とは、動物の脳の内部で情報の処理や記憶を行っている、大量の微小な神経細胞(ニューロン)が相互に網状に繋がった構造のこと。
また、これを模式化した数学的なモデルをコンピュータ上で再現し、機械学習などの知的な操作に応用したもの。IT分野では専ら後者を指す。 |
[ハ行]
日本語 | 英語 | 定義 |
半教師あり学習 | Semi-Supervised Learning | 半教師あり学習とは、教師あり学習と教師なし学習の中間的な方法論で、ラベルのついていないデータと、ラベルのついているデータを同時に学習する手法。 |
汎用人工知能(AGI) | Artificial General Intelligence | 汎用人工知能(AGI)とは、人間の持つ知識や情報処理能力、認知能力などに加え、意識や意志、心に相当するような自律的に行動する仕組みを備えた人工知能(AI)。現在は存在しうるかどうかすら明らかになっていない。
強いAI・弱いAI・特化型・汎用型の違いについてはこちらもご覧ください。 |
ビッグデータ | Big Data | ビッグデータ(big data)とは、従来のデータベース管理システムなどでは記録や保管、解析が難しいような巨大なデータ群。明確な定義があるわけではなく、企業向け情報システムメーカーのマーケティング用語として多用されている。 |
変分オートエンコーダ | VAE | 変分オートエンコーダー(VAE)は、ディープラーニングの技術を使って、複雑なデータの背後にある構造を学習するためのモデル。 |
ブロックチェーン | Blockchain | ブロックチェーン(blockchain)とは、一定の形式や内容のデータの塊を改竄困難な形で時系列に連結していく技術。内容が随時追加されていくデータ群を複数の独立した対等な主体の間で安全に共有することができる。仮想通貨(暗号通貨/暗号資産)の開発を通じて誕生し、他の用途へも応用されている。 |
[マ行]
日本語 | 英語 | 定義 |
マルチモーダルAI | Multimodal AI | マルチモーダルAI(multimodal AI)とは、テキスト(文字情報)と画像、動画と音声など、複数の異なる種類のデータを組み合わせて学習することができる機械学習システム。言葉による指示で画像を生成するといった動作が可能となる。 |
メタバース | Metaverse | メタバース(metaverse)とは、3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)で構成された仮想空間に複数(多数)の利用者が通信ネットワークを介して同時にアクセスし、コミュニケーションや商取引など何らかの社会的な活動を行うネットサービス。 |
[ヤ行]
日本語 | 英語 | 定義 |
弱いAI(特化型AI) | Weak AI | 弱いAIは「狭いAI」「特化型AI」とも呼ばれ、特定のタスクや領域に特化して設計された人工知能。 |
[ラ行]
日本語 | 英語 | 定義 |
ロボティック・プロセス・オートメーション( RPA) | Robotic Process Automation | RPA(Robotic Process Automation)とは、人間がコンピュータを操作して行う作業を、ソフトウェアによる自動的な操作によって代替すること。主に企業などのデスクワークにおけるパソコンを使った業務の自動化・省力化を行うもので、業務の効率化や低コスト化を進めることができる。 |
[アルファベット]
日本語 | 英語 | 定義 |
API |
| API(Application Programming Interface)とは、あるコンピュータプログラム(ソフトウェア)の機能や管理するデータなどを、外部の他のプログラムから呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めた規約のこと。 |
HTTP | Hypertext Transfer Protocol | HTTP(Hypertext Transfer Protocol)とは、WebサーバとWebクライアントの間でデータの送受信を行うために用いられるプロトコル(通信規約)。
Webページを構成するHTMLファイルや、ページに関連付けられたスタイルシート、スクリプト、画像、音声、動画などのファイルを、データ形式などのメタ情報を含めてやり取りすることができる。 |
IaaS | Infrastructure as a Service | IaaSとは、情報システムの稼動に必要なコンピュータや通信回線などの基盤(インフラ)を、インターネット上のサービスとして遠隔から利用できるようにしたもの。
また、そのようなサービスや事業モデル。 |
PaaS | Platform as a Service | PaaSとは、ソフトウェアの実行環境をインターネット上のサービスとして遠隔から利用できるようにしたもの。また、そのようなサービスや事業モデル。 |
SaaS | Software as a Service | SaaSとは、ソフトウェアをインターネットを通じて遠隔から利用者に提供する方式。利用者はWebブラウザなどの汎用クライアントソフトを用いて事業者の運用するサーバへアクセスし、ソフトウェアを操作・使用する。
従来「ASPサービス」と呼ばれていたものとほぼ同じもの。 |
XaaS | X as a Service | XaaSとは、情報システムの構築や運用に必要な様々な資源(ソフトウェアやハードウェアなど)をインターネットなどを通じて提供・利用するようにしたサービスの総称。 |
ERP | Enterprise Resource Planning | ERP(Enterprise Resource Planning)とは、企業の持つ資金や人材、設備、資材、情報など様々な資源を統合的に管理・配分し、業務の効率化や経営の全体最適を目指す手法。
また、そのために導入・利用される業務横断型の業務ソフトウェアパッケージ(ERPパッケージ)のこと。 |
AR(拡張現実感) | Augmented Reality | AR(Augmented Reality)とは、現実の環境から視覚や聴覚、触覚などの知覚に与えられる情報を、コンピュータによる処理で追加あるいは削減、変化させる技術の総称。 |
VR(仮想現実) | Virtual Reality | VR(Virtual Reality)とは、人間の感覚器官に働きかけ、現実ではないが実質的に現実のように感じられる環境を人工的に作り出す技術。 |
MR(複合現実) | Mixed Reality | 複合現実(MR)とは、現実の環境と、コンピュータによって人工的に作り出された現実感を組み合わせ、複合的な空間知覚を生み出す技術の総称。現実空間と仮想空間の混合。 |
Webアプリケーション | Web Application | Webアプリケーションとは、Webページと共通の技術を応用して構築・運用されるアプリケーションソフト。プログラムやデータの主要部分はWebサーバ上に置かれ、利用者はインターネットなどを通じて遠隔からWebブラウザでこれにアクセスし、表示や操作を行う。 |
Webサーバ | Web Server | Webサーバ(web server)とは、Webシステム上で、利用者側のコンピュータに対しネットワークを通じて情報や機能を提供するコンピュータ。また、そのような機能を実装したソフトウェア(Webサーバ・ソフトウェア)。 |
Society 5.0 | Society 5.0(ソサエティ5.0)とは、日本政府の科学技術政策の中で提唱された未来社会の構想。ITの高度化と社会への浸透によりサイバー空間と物理空間を高度に融合し、経済の発展と社会課題の解決を図るとされる。 |
参考文献: IT用語辞典 e-Words