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GA4とUniversal Analyticsの違い|指標・計測方法を比較

GA4は、Googleが提供する現在のアクセス解析サービスです。以前使用されていたUniversal Analyticsは、ウェブサイトへの訪問をセッションやページビューを中心に分析していました。一方、GA4はウェブサイトとアプリで発生する行動をイベントとして記録し、複数の接点をまたいだ利用者行動を分析できるように設計されています。Googleも、GA4をウェブサイトとアプリのデータを収集する、イベント単位の次世代プロパティとして説明しています。

標準版Universal Analyticsは2023年7月1日に新しいデータの処理を終了しました。有料版のUniversal Analytics 360も、2024年7月1日に処理延長期間が終了しています。その後、Universal Analyticsの管理画面、過去データ、関連するAPIへのアクセスも終了したため、現在の新規計測や継続的な分析にはGA4を利用する必要があります。

ただし、GA4はUniversal Analyticsの画面だけを変更した後継版ではありません。データ構造、ユーザーの数え方、セッションの条件、直帰率、成果の記録方法、レポート構成、保存期間まで大きく変更されています。両者の数値を単純に並べると誤った判断につながるため、本記事では違いが生まれる理由とGA4での正しい分析方法を詳しく解説します。

1. GA4とUniversal Analyticsとは

GA4とUniversal Analyticsの違いを理解するには、最初にそれぞれがどの時代の利用者行動を想定して設計されたかを確認する必要があります。Universal Analyticsはウェブサイトを中心とした分析基盤であり、GA4はウェブサイトとアプリを横断する行動分析を前提としています。

1.1 GA4とは

GA4とは、ウェブサイトやアプリで発生した利用者の行動を、イベントとして記録するGoogleのアクセス解析サービスです。ページの表示、スクロール、リンクのクリック、動画の再生、購入、問い合わせなどを、一つのイベント形式で収集します。

GA4では、ウェブサイトとiOSアプリ、Androidアプリのデータを同じプロパティへ送信できます。複数の接点で発生した行動を一つの分析環境へ集められるため、ウェブサイトだけで完結しない利用者経路を確認しやすくなっています。

1.2 Universal Analyticsとは

Universal Analyticsとは、GA4より前に使用されていたGoogle Analyticsの計測方式です。2012年に発表され、長期間にわたってウェブサイトのアクセス解析に使用されてきました。2020年10月14日より前にGoogle Analyticsを設定したサイトでは、Universal Analyticsプロパティが作成されている可能性があります。

Universal Analyticsは、ページビュー、イベント、電子商取引、ソーシャルなどを異なるヒット形式として記録していました。訪問単位であるセッションを中心に、流入元、閲覧ページ、滞在時間、目標達成などを分析する構造でした。

1.3 Universal Analyticsの終了時期

標準版Universal Analyticsは2023年7月1日に新しいデータの処理を終了しました。Universal Analytics 360には一度限りの延長期間が設けられましたが、その期間も2024年7月1日に終了しています。

2024年7月以降は、Universal Analyticsの過去データや管理画面、APIへのアクセスも順次終了しました。そのため、以前のプロパティを再開して現在のアクセスを取得したり、管理画面から古いレポートを取得したりすることはできません。

1.4 GA4とUniversal Analyticsの主な違い

GA4はUniversal Analyticsの設定をそのまま移したものではなく、計測の中心となる単位から変更されています。Universal Analyticsでは訪問を表すセッションが分析の中心でしたが、GA4では利用者の行動を表すイベントが中心です。

比較項目GA4Universal Analytics
計測の中心イベントセッションとヒット
対応対象ウェブサイトとアプリ主にウェブサイト
成果の記録キーイベント目標
管理階層アカウント、プロパティ、データストリームアカウント、プロパティ、ビュー
利用者分析複数端末・複数接点を重視端末やセッション単位が中心
生データ連携標準版でもBigQuery連携可能原則として360版のみ
現在の利用現行サービス提供終了

同じ名称の指標が存在していても、計算方法や対象範囲が異なる場合があります。GA4への移行後は、Universal Analytics時代の数値を再現することよりも、新しい定義で基準値を作り直すことが重要です。

1.5 過去データをGA4へ移せない理由

Universal Analyticsの履歴をGA4プロパティへそのまま移すことはできません。両者はデータの記録方式や指標定義が異なるため、Universal AnalyticsのヒットをGA4のイベントへ完全に変換できないからです。

過去比較が必要な場合は、Universal Analyticsの提供終了前に保存した表計算ファイル、データベース、BigQueryなどを別の履歴資料として使用します。GA4内へ取り込んで一つの連続した標準レポートにするのではなく、旧計測期間と新計測期間を分けて分析してください。

2. データモデルの違い

GA4とUniversal Analyticsの最も大きな違いは、データをどのような単位で保存するかです。この違いを理解せずにイベント数、ページビュー数、セッション数を比較すると、設定ミスがなくても数値が一致しない理由を説明できません。

2.1 Universal Analyticsのヒット型計測

Universal Analyticsでは、Google Analyticsへ送信する一つ一つのデータをヒットとして扱っていました。ページ表示はページビューヒット、操作はイベントヒット、購入は電子商取引ヒットというように、目的別に異なる形式が用意されていました。

ヒットの種類主な用途
ページビューヒットページの閲覧
イベントヒットクリックや動画再生
電子商取引ヒット商品購入や売上
ソーシャルヒットソーシャル操作
例外ヒット技術的なエラー
利用時間ヒットページ表示速度など

イベントヒットには、カテゴリ、アクション、ラベル、値という固定された項目がありました。この構造は分かりやすい一方で、複雑な行動情報を追加する際には設計上の制約がありました。

2.2 GA4のイベント型計測

GA4では、ページ表示を含めたすべての行動をイベントとして送信します。ページの表示はpage_view、セッションの開始はsession_start、購入はpurchaseというイベントとして記録されます。

利用者の行動GA4のイベント例
ページを表示したpage_view
セッションを開始したsession_start
外部リンクを押したclick
ファイルを取得したfile_download
サイト内検索をしたview_search_results
商品を購入したpurchase

イベント型の構造では、ウェブサイトとアプリで共通した考え方を使用できます。ページが存在しないアプリでも、画面表示や操作をイベントとして統一的に分析できる点が特徴です。

2.3 イベントパラメータの違い

GA4では、イベントにパラメータを追加して詳しい情報を送信します。たとえば、file_downloadイベントには、ファイル名、ファイル形式、リンク先などの情報が付属します。

Universal Analyticsではイベントのカテゴリ、アクション、ラベルという固定欄へ情報を割り当てていました。GA4ではイベントごとに必要なパラメータを設計できるため、柔軟性は高くなりましたが、命名規則を決めずに実装すると分析しにくくなります。

2.4 イベント名の設計方法

GA4には、自動収集イベント、拡張計測イベント、推奨イベント、独自イベントがあります。Googleは、利用できる自動収集イベントや推奨イベントがある場合、独自の名前を作る前にそれらを使用するよう案内しています。

優先順位イベントの種類
1自動収集イベントfirst_visit
2拡張計測イベントscroll
3推奨イベントgenerate_lead
4独自イベント独自の業務行動

推奨イベントを使用すると、既定のディメンションや指標、広告連携、将来追加される機能へデータが対応しやすくなります。独自イベントは、既存のイベントでは業務上の行動を表せない場合に限定してください。

2.5 イベント数をそのまま比較できない理由

Universal Analyticsのイベント数は、イベントヒットだけを数えていました。ページビューは別のヒット形式だったため、通常はイベント数に含まれません。一方、GA4ではページ表示やセッション開始もイベントとして記録されます。

そのため、GA4のイベント数はUniversal Analyticsの合計イベント数より大きくなることがあります。比較するときは全イベント数ではなく、資料取得、問い合わせ送信、動画再生など、同じ行動を表す個別イベントに絞ってください。

3. イベント計測の違い

GA4ではイベントが分析の中心になるため、Universal Analytics時代の設定を名前だけ置き換える方法では不十分です。どの行動を自動取得し、どの行動を独自に実装するかを決める必要があります。

3.1 自動収集イベントの違い

Universal Analyticsでは、初期設定だけで自動的に取得できる行動が限られていました。一般的なクリック、動画、ファイル取得を記録するには、追加コードやGoogleタグマネージャーの設定が必要でした。

GA4では、基本タグを設置すると、session_startfirst_visituser_engagementなどが自動的に収集されます。ただし、自動収集されるからといって、すべての業務上重要な行動が計測されるわけではありません。

3.2 拡張計測機能の違い

GA4のウェブデータストリームでは、拡張計測機能を有効にすることで、追加コードを使わずにスクロール、外部リンク、サイト内検索、動画、ファイル取得、フォーム操作などを取得できます。

拡張計測項目主なイベント
ページ表示page_view
スクロールscroll
外部リンクclick
サイト内検索view_search_results
動画操作video_startなど
ファイル取得file_download
フォーム操作form_startform_submit

拡張計測は便利ですが、サイト固有の実装によっては正しく動作しない場合があります。フォーム送信イベントが問い合わせ完了を正確に表すとは限らないため、実際の送信成功条件を検証してください。

3.3 Universal Analyticsのイベントを置き換える方法

Universal Analyticsでは、カテゴリに「資料」、アクションに「取得」、ラベルにファイル名を設定するような設計が一般的でした。GA4では、行動を表すイベント名を決め、詳細情報をパラメータとして送信します。

Universal AnalyticsGA4
カテゴリ:資料イベント名:file_download
アクション:取得自動的に行動を表現
ラベル:company.pdffile_name:company.pdf
値:1必要な場合のみ数値パラメータ

カテゴリ、アクション、ラベルをそのままevent_categoryevent_actionevent_labelとして送り続けることもできますが、GA4の推奨イベント設計を活用しにくくなります。移行時に意味を見直してください。

3.4 推奨イベントを利用する理由

Googleは、販売、見込み客獲得、ゲームなどの用途に合わせた推奨イベント名とパラメータを公開しています。推奨された形式で送信すると、既定レポートや関連する分析機能へデータを反映しやすくなります。

問い合わせ完了にはgenerate_lead、会員登録にはsign_up、ログインにはlogin、購入にはpurchaseなどを使用できます。独自のcontact_completeを作る前に、同じ意味の推奨イベントがないか確認してください。

問い合わせ完了イベントの例

<script> gtag('event', 'generate_lead', {  method: 'contact_form',  form_name: 'service_inquiry',  value: 5000,  currency: 'JPY' }); </script>

3.5 独自イベントを作る条件

独自イベントは、自動収集イベントや推奨イベントで表現できない業務固有の行動に使用します。たとえば、料金診断の完了、特定の会員機能の利用、独自システム上の審査完了などです。

イベント名をページ名やボタン名ごとに増やすのではなく、同じ行動には同じイベント名を使用し、対象ページやボタンの違いをパラメータで表します。これにより、イベント一覧が増えすぎることを防げます。

4. ユーザー指標の違い

GA4とUniversal Analyticsでは、「ユーザー」という同じ名称の指標でも、標準レポートで重視する対象が異なります。利用者数が増減したように見えても、実際には計算方法や表示指標の違いである可能性があります。

4.1 アクティブユーザーと総ユーザーの違い

Universal Analyticsの主要なユーザー指標は総ユーザーでした。一方、GA4の標準レポートでは、一定の活動が確認されたアクティブユーザーを中心に表示します。Googleも、この違いを両者のユーザー数が一致しない主な理由として説明しています。

指標GA4Universal Analytics
標準で重視する利用者アクティブユーザー総ユーザー
総ユーザー別指標として利用可能主要ユーザー指標
新規ユーザー初回訪問イベントなどから算出新規セッションなどを基に算出
複数端末の統合報告用識別子を使用主にクライアントID、User-ID

過去比較を行う場合は、GA4の「ユーザー」とUniversal Analyticsの「ユーザー」を無条件に並べないでください。GA4側で総ユーザーを使用するか、分析目的に合わせて指標を選び直します。

4.2 新規ユーザーの違い

GA4では、ウェブサイトの初回訪問を表すfirst_visitや、アプリの初回起動を表すfirst_openなどを基に新規ユーザーを計測します。

ブラウザのCookie削除、端末変更、同意状態などによって、同じ人物が別の新規ユーザーとして数えられる可能性があります。新規ユーザー数は実在する人物の厳密な人数ではなく、使用できる識別情報に基づいた計測値です。

4.3 User-IDによる利用者統合

GA4では、ログイン会員などに自社で管理するUser-IDを設定することで、複数の端末やデータストリームにまたがる行動を統合できます。Universal AnalyticsにもUser-ID機能はありましたが、GA4ではウェブとアプリを横断する分析へ利用しやすくなっています。

User-IDには、氏名、メールアドレス、電話番号など、個人を直接識別できる情報を使用してはいけません。社内システムで発行した、外部から個人を特定できない識別子を使用してください。

User-ID設定例

<script> gtag('config', 'G-XXXXXXXXXX', {  user_id: 'internal_user_84291' }); </script>

4.4 報告用識別子の違い

GA4では、User-ID、端末ID、Googleシグナルなど、利用可能な識別情報を組み合わせて利用者を報告する仕組みがあります。管理画面の報告用識別子を変更しても、収集済みデータ自体が書き換えられるわけではなく、レポート上の表示方法が変わります。

複数端末の利用者を統合すると、端末単位よりユーザー数が少なく見える場合があります。また、Googleシグナルを含むレポートでは、プライバシー保護のためのデータしきい値が適用されることがあります。

4.5 ユーザー数が一致しない原因

ユーザー数の違いは、タグの設置漏れだけでなく、指標の定義、User-ID、データストリーム、フィルタ、同意管理などによって発生します。Googleは、GA4とUniversal Analyticsで使用する識別方法や主要ユーザー指標が異なるため、差が生じると説明しています。

比較時には、対象期間、タイムゾーン、対象ドメイン、内部アクセス除外、利用者指標、同意率をそろえます。差があること自体を異常と判断せず、同じ条件で計測しているかを順番に確認してください。

5. セッション計測の違い

GA4にもセッション指標は存在しますが、Universal Analyticsと完全に同じ方法で作成されるわけではありません。流入元の変化や日付の切り替わりを含め、セッションの境界が異なるため、数値には差が生じます。

5.1 GA4のセッションとは

GA4では、利用者がサイトやアプリを操作し始めるとsession_startイベントが自動収集されます。このとき、セッションIDとセッション番号が生成され、同じセッション内の各イベントへ関連付けられます。

セッションIDは開始時刻を基に生成されますが、単独では全利用者を通じた完全な一意識別子ではありません。BigQueryなどで個別セッションを識別する場合は、user_pseudo_idなどのユーザー識別子と組み合わせます。

5.2 セッション終了条件の違い

GA4のセッションは、標準設定では30分間操作がない場合に終了します。セッションの有効時間は管理画面から変更でき、最大7時間55分まで設定できます。

Universal Analyticsでも標準のタイムアウトは30分でしたが、流入キャンペーンの変化や日付の切り替わりによる扱いがGA4と異なります。そのため、同じ利用者行動でもセッション数が一致しない場合があります。

5.3 日付をまたぐセッションの違い

Universal Analyticsでは、午前0時をまたぐ訪問が別のセッションとして処理されるため、深夜帯の利用が多いサイトではセッション数が増えることがありました。GA4では、日付をまたいでもセッションが継続する場合があります。

この違いは、ニュース、動画、ゲーム、深夜営業サービスなどで数値へ影響しやすくなります。日別セッションを比較するときは、単純な合計値だけでなく、計測方式の違いを注記してください。

5.4 流入元が変わった場合の違い

Universal Analyticsでは、同じ利用者がセッション中に異なるキャンペーン経由で再訪すると、新しいセッションとして処理される場合がありました。GA4では、セッション中に流入元情報が変化しても、新しいセッションを自動的に開始しない設計です。

行動例GA4Universal Analytics
30分以内に別広告から再訪同じセッションになる場合がある新しいセッションになる場合がある
午前0時をまたぐ継続する場合がある新しいセッション
30分以上操作なし新しいセッション新しいセッション
アプリとウェブを移動識別設定により横断分析可能別管理になりやすい

キャンペーン別のセッション数を旧指標と比較する場合、この差によってGA4のセッションが少なくなることがあります。

5.5 セッション数を比較する際の注意点

GA4とUniversal Analyticsでセッション数の差が小さくても、偶然数値が近いだけの場合があります。セッション開始条件、内部アクセス、タグの発火、同意取得率など、複数要素を確認してください。

移行後の成果評価では、旧セッション数へGA4を無理に合わせるのではなく、GA4で新しい基準期間を設定します。前年との連続比較が必要な資料では、計測方式が変更された日を明記してください。

6. ページビューと画面表示の違い

Universal Analyticsはウェブページの閲覧を中心に設計されていました。GA4では、ウェブページの表示とアプリ画面の表示を同じ分析環境で扱うため、「ページとスクリーン」という考え方が使用されます。

6.1 ページビューの記録方法

Universal Analyticsでは、ページビューはイベントとは異なるページビューヒットとして送信されていました。GA4では、ページの表示をpage_viewイベントとして記録します。

GA4の「表示回数」は、ウェブのページ表示とアプリの画面表示を共通した指標として扱えるよう設計されています。ウェブサイトだけを分析する場合は、ページの場所やページタイトルを組み合わせて確認します。

6.2 ページビューと表示回数の違い

Universal Analyticsでは、「ページビュー数」と、同じセッション内の重複表示を除いた「ページ別訪問数」が使用されていました。GA4では、「表示回数」や「ユーザーあたりの表示回数」などが中心になります。

Universal AnalyticsGA4で近い指標
ページビュー数表示回数
ページ別訪問数完全に同一の標準指標はない
ページタイトルページタイトルとスクリーン名
ページページパスとスクリーンクラス
ランディングページランディングページ

似た名称でも集計の範囲が異なるため、旧レポートを完全に再現することより、分析目的に合うGA4指標を選ぶ必要があります。

6.3 単一ページアプリの計測

GA4の拡張計測では、ページの読み込みだけでなく、ブラウザ履歴の状態が変化した場合にもpage_viewを送信できます。これにより、画面遷移時にページ全体を再読み込みしない単一ページアプリにも対応しやすくなっています。

ただし、使用している仕組みによっては、ページ表示が二重に送信されたり、逆に送信されなかったりします。自動送信と手動送信を同時に有効化していないかを確認してください。

6.4 ページタイトルの重複

GA4の経路データ探索では、ページタイトルやスクリーン名を使用して遷移を分析する場面があります。複数ページに同じタイトルが設定されていると、異なるURLの行動が一つにまとめられ、経路を正しく判断できません。

ページタイトルはSEOだけでなく、アクセス解析の識別にも使用されます。「商品詳細」「記事ページ」のような共通タイトルを避け、各ページを区別できる名称を設定してください。

6.5 仮想ページビューの置き換え

Universal Analyticsでは、モーダル表示、入力手順、外部システムへの移動などを仮想ページビューとして記録する方法が使われていました。GA4では、実際のページ表示ではない行動は、意味のあるイベントとして記録する方法が適しています。

たとえば、見積もり手順の開始をbegin_quote、入力完了をcomplete_quoteのようなイベントにします。すべてをpage_viewとして送ると、実際のページ閲覧数と業務上の手順が混在します。

7. 直帰率とエンゲージメント率の違い

GA4にも直帰率はありますが、Universal Analyticsと定義が異なります。GA4では、利用者が意味のある行動を行ったセッションを「エンゲージメントのあったセッション」として判定し、その反対を直帰とします。

7.1 Universal Analyticsの直帰率

Universal Analyticsの直帰は、原則として一回だけ分析サーバーへリクエストを送り、その後ほかの操作を記録せず終了したセッションでした。記事を長時間読んでも追加イベントが発生しなければ、直帰として扱われることがありました。

そのため、ブログ記事、ニュース、問い合わせ先確認ページなど、一ページで目的を達成できるコンテンツでは、満足した利用者も直帰へ含まれる可能性がありました。

7.2 GA4のエンゲージメント率

GA4では、10秒を超えて継続した、キーイベントが発生した、または2回以上のページ・画面表示があったセッションを、エンゲージメントのあったセッションとして扱います。

エンゲージメント判定条件判定
10秒を超えて継続エンゲージメントあり
キーイベントが発生エンゲージメントあり
2回以上のページ・画面表示エンゲージメントあり
いずれも満たさないエンゲージメントなし

判定時間は管理画面で変更できます。標準の10秒がすべてのサイトに適するとは限らないため、コンテンツの性質に合わせて検討してください。

7.3 GA4の直帰率

GA4の直帰率は、エンゲージメント率の反対です。エンゲージメント率が65%であれば、直帰率は35%になります。

Universal Analyticsの一回だけのリクエストという定義とは異なるため、同じページでもGA4の直帰率が低くなることがあります。数値の大小だけで改善効果を判断しないでください。

7.4 直帰率を比較できない理由

Universal Analyticsでは、追加ヒットがあるかどうかが直帰判定へ大きく影響しました。GA4では、一定時間の継続やキーイベントも判定に含まれます。

行動例GA4Universal Analytics
一ページを30秒読んで終了エンゲージメントあり直帰になる場合がある
5秒で問い合わせ完了キーイベントならエンゲージメントありイベント設定により直帰回避
5秒で2ページ閲覧エンゲージメントあり直帰ではない
5秒で離脱直帰直帰

旧直帰率が70%、GA4が35%であっても、サイト体験が急に改善したとは限りません。指標定義が変わった影響を考慮する必要があります。

7.5 コンテンツ評価に使う指標

記事やサービスページを評価する場合は、直帰率だけでなく、平均エンゲージメント時間、スクロール、キーイベント、次ページへの移動などを組み合わせます。GA4のユーザーエンゲージメント時間は、ウェブページが前面で表示されている時間などを基に記録されます。

長時間滞在していても目的を達成できない場合がある一方、短時間で電話番号を確認して離脱する利用者もいます。ページの目的に合わせて成功行動を定義してください。

8. 目標とキーイベントの違い

Universal Analyticsでは「目標」を設定して成果を計測していました。GA4では、重要な行動を表すイベントを「キーイベント」に指定します。Google広告で入札や広告成果へ使用する場合は、キーイベントを基に広告側のコンバージョンを作成します。

8.1 Universal Analyticsの目標

Universal Analyticsでは、到達ページ、滞在時間、セッションあたりのページ数、イベントなどを条件として目標を設定できました。一つのビューに対して作成数の上限があり、作成後に削除して枠を戻すことはできませんでした。

到達ページ目標では、問い合わせ完了ページや購入完了ページが表示されたことを成果として記録できました。イベント目標では、カテゴリ、アクション、ラベル、値の条件を組み合わせていました。

8.2 GA4のキーイベント

GA4では、収集しているイベントの中から、事業上重要な行動をキーイベントとして指定します。問い合わせ完了、購入、会員登録、予約など、成果につながるイベントを選びます。

成果推奨イベント例
問い合わせgenerate_lead
購入purchase
会員登録sign_up
ログインlogin
決済開始begin_checkout

すべてのクリックをキーイベントにすると、事業成果と補助行動を区別できなくなります。重要度に応じて主要成果と補助成果を分けてください。

8.3 目標到達ページの置き換え

Universal Analyticsの到達ページ目標に近い計測をGA4で行う場合は、特定URLで発生するpage_viewを条件として新しいイベントを作り、そのイベントをキーイベントに指定します。

ただし、完了ページを再読み込みできる場合や、URLを直接開ける場合は、成果数が重複する可能性があります。可能であれば、実際の処理成功時に専用イベントを送るほうが正確です。

完了イベントの送信例

<script> gtag('event', 'generate_lead', {  form_name: 'contact',  lead_type: 'consultation' }); </script>

8.4 滞在時間目標の置き換え

Universal Analyticsでは、一定時間を超えたセッションを目標にできました。GA4では、Universal Analyticsの滞在時間目標をそのままキーイベントへ移行する機能はありません。

GA4では、エンゲージメント時間、エンゲージメントのあったセッション、利用者区分、オーディエンスなどを使って深い閲覧を分析します。事業成果として扱う必要がある場合は、適切な時間条件で独自イベントを送る方法を検討してください。

8.5 コンバージョン名称変更の注意点

GA4では、以前「コンバージョン」と呼ばれていた分析上の重要行動が、現在は「キーイベント」と呼ばれます。Google広告で使用する成果は、Google広告のコンバージョンとして区別されます。

社内資料では、GA4のキーイベントと広告媒体のコンバージョンを混同しないようにします。「問い合わせキーイベント」「Google広告コンバージョン」のように対象を明記してください。

9. アカウント構造とビューの違い

Universal Analyticsでは、アカウント、プロパティ、ビューという三階層で管理していました。GA4にはUniversal Analyticsと同じレポートビューがなく、プロパティとデータストリームを中心に管理します。

9.1 Universal Analyticsのビュー

Universal Analyticsのビューは、同じプロパティ内のデータを目的別に分けるために使用されていました。すべてのアクセスを保存するビュー、社内アクセスを除外するビュー、特定国だけを含めるビューなどを作成できました。

ビューごとにフィルタ、目標、通貨、権限などを設定できたため、部署や分析目的ごとに異なるレポート環境を作れました。ただし、フィルタ適用後のデータを元に戻せない点には注意が必要でした。

9.2 GA4のデータストリーム

GA4のデータストリームは、ウェブサイト、iOSアプリ、Androidアプリからプロパティへ送信されるデータの流れです。一つのプロパティには複数のデータストリームを設定できます。

管理要素役割
アカウント企業や組織単位の管理
プロパティ分析する事業・サービス
ウェブデータストリームウェブサイトからのデータ
iOSデータストリームiOSアプリからのデータ
AndroidデータストリームAndroidアプリからのデータ

データストリームはUniversal Analyticsのビューの代わりではありません。データの送信元を表すものであり、同じデータを複数の条件で保存するための領域ではありません。

9.3 GA4にビューがない影響

GA4の標準プロパティには、Universal Analyticsと同じレポートビューがありません。GA4のデータフィルタはプロパティ単位で適用され、対象プロパティのすべてのレポートに影響します。

そのため、内部アクセス除外用のフィルタを有効にする前にテスト状態で確認する必要があります。誤った除外を有効にすると、その後のデータから該当イベントが除かれます。

9.4 データの一部を分析する方法

GA4で特定地域、端末、ページ群などを分析する場合は、標準レポートの比較、データ探索のセグメント、フィルタなどを使用します。権限によって特定のデータだけを見せる方法は、Universal Analyticsのビューより限定的です。

有料版のGA4 360には、元プロパティの一部データを使用するサブプロパティがあります。標準版では、事業上完全に分離すべきデータは、最初から別プロパティへ送信する設計を検討してください。

9.5 内部アクセス除外の違い

GA4では、ウェブデータストリームで内部トラフィックを定義し、traffic_typeパラメータを付与した後、データフィルタで除外します。

段階作業
1内部アクセスの条件を定義
2traffic_typeが付くことを確認
3フィルタをテスト状態にする
4レポートやデバッグで確認
5問題がなければ有効化

最初から有効状態にせず、テスト状態で社内アクセスが正しく識別されるかを確認してください。

10. レポートと分析機能の違い

Universal Analyticsでは、利用者、集客、行動、成果という分類に多数の定型レポートが用意されていました。GA4では、標準レポートを絞り込み、必要に応じてデータ探索や独自レポートを作る構成になっています。

10.1 標準レポートの構成

GA4の標準レポートは、主に利用者属性、集客、エンゲージメント、収益化、維持率などの情報を確認するために使用します。ウェブとアプリの両方に対応するため、Universal Analyticsとは名称や分類が異なります。

Universal Analyticsの「行動」レポートを探すのではなく、分析したい質問を明確にしてください。ページ評価なら「ページとスクリーン」、初回流入なら「ユーザー獲得」、セッション流入なら「トラフィック獲得」を使用します。

10.2 ユーザー獲得とトラフィック獲得の違い

GA4のユーザー獲得レポートは、利用者が最初にサイトやアプリへ来た流入元を中心に分析します。トラフィック獲得レポートは、各セッションがどの流入元から始まったかを分析します。

レポート主な範囲分析例
ユーザー獲得最初の利用者獲得新規顧客を生んだ媒体
トラフィック獲得セッション単位今月の訪問を生んだ媒体
広告キーイベントへの貢献成果までの接点
ランディングページ最初に閲覧したページ入口ページの成果

新規顧客獲得を確認したいのか、毎月の訪問流入を確認したいのかによって、使用する範囲を選びます。

10.3 データ探索とは

GA4のデータ探索は、標準レポートより詳しく利用者行動を分析する機能です。自由形式、目標到達プロセス、経路、セグメントの重複、コホート、ユーザーエクスプローラなどを利用できます。

Universal Analyticsのカスタムレポートや一部の有料機能に近い分析を、GA4標準版でも利用できます。ただし、データ保持期間、サンプリング、データしきい値などの影響を確認する必要があります。

10.4 目標到達プロセスの違い

Universal Analyticsでは、到達ページ目標に対して目標到達プロセスを設定していました。GA4の目標到達プロセスデータ探索では、イベント、ページ、条件を組み合わせ、開放型または閉鎖型の手順を分析できます。

GA4の目標到達プロセスは、ユーザー単位またはセッション単位で分析でき、作成前の履歴データにも条件を適用できます。Universal Analyticsの目標のように、事前設定後のデータだけに限定されません。

10.5 経路データ探索の違い

GA4の経路データ探索では、開始点または終了点を指定して、前後にどの行動が発生したかを確認できます。ウェブとアプリ、複数セッションをまたぐ行動を分析できる場合があります。

問い合わせ完了を終了点にし、その前に見られたページや発生したイベントを逆方向に確認できます。ただし、ページタイトルが重複していると、異なるページが一つに集約されるため注意してください。

11. 流入元とアトリビューションの違い

GA4では、最初の利用者獲得、セッション獲得、キーイベントへの貢献という異なる範囲で流入元を分析します。Universal Analyticsの流入元レポートを再現するだけでは、各ディメンションの範囲を混同する可能性があります。

11.1 流入元ディメンションの範囲

GA4には、「最初のユーザーの参照元」「セッションの参照元」「参照元」など、異なる範囲のディメンションがあります。それぞれ、利用者の初回接点、セッション開始時、キーイベントへの貢献などを表します。

ディメンション例主な意味
最初のユーザーの参照元初めて獲得した参照元
セッションの参照元セッション開始時の参照元
参照元イベントやアトリビューションに応じた参照元
最初のユーザーのメディア初回獲得メディア
セッションのメディアセッション獲得メディア

異なる範囲のディメンションと指標を組み合わせると、期待と異なる数値になる場合があります。レポートを作る前に、利用者、セッション、イベントのどこを分析するか決めてください。

11.2 アトリビューションモデルの違い

Universal Analyticsでは、標準の成果レポートで最終間接クリックなどが広く使用されていました。GA4では、キーイベントへ至る複数の接点に成果を割り当てるデータドリブンアトリビューションなどを利用できます。

アトリビューション設定を変更しても、すべての流入元ディメンションが同じように変化するわけではありません。初回ユーザーやセッション範囲のディメンションと、キーイベント範囲の評価を分けて確認してください。

11.3 ルックバック期間の違い

Universal AnalyticsとGA4では、成果へ貢献した接点をどこまで過去にさかのぼるかという期間が異なる場合があります。Googleの移行資料では、GA4の既定期間が90日、Universal Analyticsが6か月だったことが数値差の原因として説明されています。

検討期間が長い不動産、法人向けサービス、高額商品などでは、期間設定が成果配分へ大きく影響します。広告媒体側の成果期間とも異なるため、各サービスの数値が一致しないことを前提に分析してください。

11.4 キーイベント経路レポート

GA4のキーイベント経路レポートでは、利用者がキーイベントへ至るまでに接触したチャネル、接点数、日数などを確認できます。

最終接点だけでなく、認知を生んだチャネルや途中で再訪を促したチャネルを把握できます。ただし、計測できる接点だけが表示されるため、電話、店舗、口コミなどの未計測行動は別途補う必要があります。

11.5 Universal Analyticsとの流入比較

旧レポートとGA4の流入数を比較する場合は、チャネル定義、キャンペーンパラメータ、参照元除外、クロスドメイン設定、セッション条件を確認します。一つでも異なると、自然検索、直接、参照、広告の分類が変わる場合があります。

旧数値へ完全一致させることより、GA4内で一貫したキャンペーン命名規則を作ることが重要です。広告URLに使用する参照元、メディア、キャンペーン名の表記を社内で統一してください。

12. 電子商取引計測の違い

GA4とUniversal Analyticsでは、商品情報や購入行動を送信する形式が異なります。Universal Analyticsの拡張電子商取引コードをGA4へそのまま送っても、GA4の収益化レポートへ正しく反映されません。

12.1 Universal Analyticsの拡張電子商取引

Universal Analyticsの拡張電子商取引では、商品表示、商品クリック、カート追加、決済、購入、返金などを専用のアクションや商品データとして送信していました。

イベントのカテゴリやアクションと組み合わせて送る実装も多く、GoogleタグマネージャーではUniversal Analytics用の電子商取引変数を設定していました。

12.2 GA4の電子商取引イベント

GA4では、view_itemadd_to_cartbegin_checkoutpurchaserefundなどの推奨イベントを使用します。商品情報はitems配列の中へ格納します。

購買行動GA4イベント
商品一覧表示view_item_list
商品クリックselect_item
商品詳細表示view_item
カート追加add_to_cart
決済開始begin_checkout
購入完了purchase
返金refund

イベント名や必須パラメータを独自に変更すると、既定の収益化レポートへ反映されない場合があります。

12.3 purchaseイベントの実装

購入イベントには、取引ID、金額、通貨、商品配列などを設定します。取引IDは重複購入の判断やデータ確認に使用するため、注文ごとに一意の値を設定してください。

購入イベントの例

<script> gtag('event', 'purchase', {  transaction_id: 'ORDER-20260717-001',  value: 12800,  tax: 1163,  shipping: 500,  currency: 'JPY',  coupon: 'SUMMER2026',  items: [    {      item_id: 'SKU-1001',      item_name: 'アクセス解析入門書',      item_category: '書籍',      price: 12300,      quantity: 1    }  ] }); </script>

決済完了ページの再読み込みで同じイベントが再送されないよう、サーバー側や注文状態を使って制御してください。

12.4 商品範囲の独自項目

GA4では、商品配列内に商品ID、商品名、カテゴリ、ブランド、価格などを設定できます。業務固有の商品情報を分析する場合は、商品範囲の独自ディメンションを利用できます。

Universal Analyticsの商品範囲の独自ディメンションとは設定場所や送信形式が異なります。移行時には、旧番号をそのまま引き継ぐのではなく、GA4側で独自定義を作成してください。

12.5 売上差異を確認する方法

GA4の売上と受注管理システムの売上が異なる場合は、イベント発火漏れ、重複送信、同意拒否、決済ドメイン、通貨、返金、注文取消などを確認します。

アクセス解析は会計システムではないため、最終的な売上確定には受注管理や決済システムを使用します。GA4は、どの集客や行動が購入へつながったかを分析するためのデータとして扱ってください。

13. プライバシーとデータ保持の違い

GA4は、Cookieが利用できない状況や個人情報保護への対応を考慮した設計になっています。ただし、GA4を設置するだけで各国の法律や自社のプライバシー方針へ自動的に準拠できるわけではありません。

13.1 IPアドレス処理の違い

Universal Analyticsでは、IP匿名化を利用するために設定を追加する方法がありました。GA4ではIPアドレスを記録・保存しないため、Universal Analyticsと同じ匿名化パラメータを追加する必要はありません。

ただし、IPアドレスが保存されないことと、利用者の同意が不要であることは別問題です。Cookie、広告識別子、User-ID、広告連携などを含め、対象地域の制度と自社方針を確認してください。

13.2 同意モード

同意モードは、利用者のCookieやアプリ識別子に関する同意状態をGoogleタグへ伝える仕組みです。タグは同意状態に応じて動作を調整します。同意モード自体が同意バナーを表示するわけではありません。

同意状態の初期設定例

<script> window.dataLayer = window.dataLayer || []; function gtag() {  dataLayer.push(arguments); } gtag('consent', 'default', {  analytics_storage: 'denied',  ad_storage: 'denied',  ad_user_data: 'denied',  ad_personalization: 'denied',  wait_for_update: 500 }); </script>

利用者が同意した後は、同意管理機能からupdateを送信します。画面表示だけを変更し、タグの状態を更新しない実装は避けてください。

13.3 行動モデリング

適切な同意モードが実装され、必要条件を満たす場合、GA4は同意しなかった利用者の欠損行動を、同意した利用者の観測データを基に推定する行動モデリングを利用できます。

モデリングされた数値は、実際にすべての行動を観測した値ではありません。経営資料では、観測データと推定を含むデータの違いを理解し、数値が後から変化する可能性も考慮してください。

13.4 データ保持期間

GA4標準版では、ユーザー単位やイベント単位のデータ保持期間を2か月または14か月に設定できます。標準の集計レポートには同じ制限がそのまま適用されませんが、データ探索や利用者単位の分析へ影響します。

プロパティ主な保持期間
GA4標準版2か月または14か月
GA4 360イベントデータは最大50か月
Universal Analytics14、26、38、50か月または無期限を選択可能だった
標準集計レポート保持設定の影響範囲が異なる

新しいプロパティを作成したら、分析要件に合わせて早い段階で保持期間を確認してください。

13.5 データしきい値

GA4では、少数の利用者から個人の属性や機密情報を推測されることを防ぐため、特定のレポートやデータ探索でデータしきい値が適用される場合があります。

短い期間、少ない利用者、人口統計、検索語句などを含む分析では、一部の行が非表示になることがあります。期間を広げる、不要な属性を外すなどして確認しますが、しきい値自体を管理者が変更することはできません。

14. BigQueryと外部連携の違い

GA4では、標準版でもイベント単位のデータをBigQueryへ出力できます。Universal Analyticsでは、標準的なBigQueryエクスポートが原則としてUniversal Analytics 360向けだったため、大きな違いです。

14.1 BigQuery連携条件の違い

Universal Analyticsの詳細なセッション・ヒットデータのBigQuery出力は、主に有料版で提供されていました。GA4では標準プロパティでもBigQueryリンクを作成できます。

比較項目GA4Universal Analytics
標準版のBigQuery連携利用可能原則として利用不可
データ単位イベントセッションとヒット
日次出力利用可能360版で利用
ストリーミング条件に応じて利用360版中心
保存費用Google Cloud側で発生する場合あり契約・利用量による

BigQuery Sandboxを利用できる場合もありますが、保存量や機能に制限があります。利用開始前にGoogle Cloud側の料金と権限を確認してください。

14.2 エクスポートデータの構造

GA4のBigQueryデータは、イベントごとに行が作成されます。イベントパラメータ、利用者情報、端末、流入、電子商取引商品などが、入れ子構造を含む形式で保存されます。

管理画面で表示されるセッションや利用者指標を再現するには、イベントデータから適切な識別子と条件を使用して集計する必要があります。単純に行数を数えるとイベント数になります。

14.3 セッションを集計するSQL

GA4のエクスポートデータでは、user_pseudo_idga_session_idを組み合わせてセッションを識別できます。Googleも、GA4外で個別セッションを分析する場合は、ユーザー識別子とセッションIDを組み合わせるよう案内しています。

日別セッション数の例

SELECT  event_date,  COUNT(    DISTINCT CONCAT(      user_pseudo_id,      '-',      CAST(        (          SELECT value.int_value          FROM UNNEST(event_params)          WHERE key = 'ga_session_id'        ) AS STRING      )    )  ) AS sessions FROM  `project_id.analytics_123456789.events_*` WHERE  _TABLE_SUFFIX BETWEEN '20260701' AND '20260731' GROUP BY  event_date ORDER BY  event_date;

セッションIDが存在しないイベントや、Measurement Protocolから送信したイベントの設計によっては、追加処理が必要です。

14.4 管理画面とBigQueryの数値差

GA4管理画面とBigQueryでは、報告用識別子、Googleシグナル、モデリング、データしきい値、処理時間などが異なるため、数値が完全に一致しない場合があります。Googleシグナル由来の情報はBigQueryへ同じ形では出力されません。

BigQueryを正しい値、管理画面を誤った値と決めつけるのではなく、各出力の目的を理解します。BigQueryは収集イベントを独自集計する用途に向き、管理画面はGoogleの処理を含む標準分析に向きます。

14.5 Google広告連携

GA4をGoogle広告と接続すると、キーイベントやオーディエンスを広告運用へ利用できます。GA4のキーイベントを基にGoogle広告コンバージョンを作成し、自動入札へ使用することもできます。

旧Universal Analyticsの目標とGA4の成果を同時に広告へ読み込んでいた移行期間には、二重計測が発生する可能性がありました。現在も複数のタグや広告コンバージョンを使用している場合は、主要成果が重複していないか確認してください。

15. GA4への移行後に行う設定と分析

Universal Analyticsの提供はすでに終了しているため、現在必要なのは旧画面を再現することではなく、GA4の計測精度と分析環境を改善することです。重要なイベント、キーイベント、データ保持、内部アクセス、外部連携を順番に確認します。

15.1 GA4タグを確認する

GA4のウェブ計測には、G-から始まる測定IDを使用します。Universal Analyticsで使われていたUA-から始まるIDは、GA4の測定IDではありません。

GA4のGoogleタグ例

<script  async  src="https://www.googletagmanager.com/gtag/js?id=G-XXXXXXXXXX"> </script> <script> window.dataLayer = window.dataLayer || []; function gtag() {  dataLayer.push(arguments); } gtag('js', new Date()); gtag('config', 'G-XXXXXXXXXX'); </script>

コードを設置した後は、リアルタイムレポートやデバッグ表示で、自分のアクセスとイベントが届いているかを確認してください。

15.2 計測設計書を作る

GA4ではイベント名とパラメータを自由に増やせるため、計測設計書が重要です。イベント名、発生条件、使用目的、パラメータ、キーイベント指定、担当者を記録します。

管理項目記載例
イベント名generate_lead
発生条件問い合わせ処理成功時
パラメータform_namelead_type
キーイベントあり
実装方法Googleタグマネージャー
確認方法デバッグ表示、BigQuery
管理担当マーケティング部

ボタン名やページ構成が変わった場合に、どのイベントへ影響するかを確認できる状態にします。

15.3 Googleタグマネージャーで送信する

Googleタグマネージャーを利用する場合は、ウェブページのデータレイヤーへ行動情報を渡し、その値をGA4イベントタグで送信します。表示文字を直接取得するだけの設定より、システム側から意味のある値を渡すほうが変更に強くなります。

データレイヤー送信例

<script> window.dataLayer = window.dataLayer || []; window.dataLayer.push({  event: 'lead_generated',  lead_type: 'seo_consultation',  form_name: 'main_contact_form',  estimated_value: 10000 }); </script>

Googleタグマネージャーでは、lead_generatedをカスタムイベント条件として使用し、GA4へgenerate_leadを送信できます。

15.4 数値差を調査する順番

GA4の数値に違和感がある場合は、最初に定義の違いを確認し、その後に実装を調べます。Universal Analyticsとの差だけを根拠に、GA4タグが壊れていると判断してはいけません。

確認順確認内容
1指標定義と範囲
2期間とタイムゾーン
3対象データストリーム
4同意取得とタグ発火
5内部アクセスフィルタ
6二重送信と設置漏れ
7報告用識別子
8データしきい値やサンプリング

データ探索では、標準プロパティの問い合わせが一定イベント数を超えるとサンプリングされる場合があります。データ品質表示も確認してください。

15.5 GA4用の基準値を作る

GA4とUniversal Analyticsは異なる計測基盤であるため、旧数値への完全一致を目標にすると、分析が進まなくなります。移行日以降の安定した期間を選び、GA4用のユーザー、セッション、エンゲージメント率、キーイベント率を基準として保存してください。

月次報告では、数値だけでなく指標定義も記載します。特に「ユーザー」「直帰率」「コンバージョン」は旧資料と意味が異なるため、GA4のアクティブユーザー、エンゲージメント基準、キーイベントとして明示してください。

おわりに

GA4とUniversal Analyticsの最大の違いは、管理画面のデザインではなく、計測の中心がセッションとヒットからイベントと利用者行動へ変わったことです。GA4では、ページ表示、スクロール、問い合わせ、購入、アプリ操作などをイベントとして統一し、ウェブサイトとアプリをまたいだ経路を分析できます。

ユーザー数、セッション数、直帰率、成果数がUniversal Analyticsと一致しないことは、必ずしも計測ミスを意味しません。アクティブユーザーと総ユーザー、エンゲージメント基準、セッション境界、アトリビューション期間などの定義が異なるためです。過去比較を行う際は、同じ名前の指標をそのまま並べず、計算条件と分析範囲を確認してください。

今後は、Universal Analyticsのレポートを再現することよりも、GA4で事業上重要な行動を正しくイベント化し、キーイベント、データ探索、BigQuery、広告連携へ活用することが重要です。計測設計書を作成し、タグ、同意管理、内部アクセス、保持期間、成果イベントを定期的に確認することで、GA4を単なるアクセス数の確認画面ではなく、意思決定に使える分析基盤へ育てられます。

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